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呪いの言葉 「障害児の親として(10946)」

昨年次弟夫婦に男児が誕生した。
私は母からそれを聞いた。
私は、「あら、そう。おめでとうございます。」くらいのことを言っただけだったと思う。

私の次男が保育所に通っているころに、母は、私の次男が知的障害のある自閉症であることが実家のご近所に知れると「私達が肩身が狭い」「弟(長男)は嫁とその実家に肩身が狭い」「次弟は結婚相手が見つからないかもしれない」から次男は実家につれてくるなと電話で言ってきた。
それ以来次男も長男も実家に連れていったことはない。
私も極力行かないようにしてきた。
親戚、縁者には、次男のこと、離婚のことを一切言うなというので言っていない。

そんなだから私から次弟夫婦に連絡を取ることもないので、妊娠したことも知らなかった。
今も、誕生した男児の名前も知らない。
息子達にいとこがいることを知らせていない。
一生会うことがないのだから知らせなくともいいだろうと思っている。

次弟夫婦に男児が誕生してまもなく母が私を呼び止めた。
私はバスに乗って駅まで行くところだったのだが、母が運転する自動車に乗せてくれるという。
私は、こういうときは要注意ということを経験的に知っているのだが、断る理由は見つからないので乗せてもらうしかなかった。
私を助手席に乗せて、自動車を運転しながら、母の呪いの言葉が始まった。

「あんた、大平さんが女の子を産んだんやってなぁ。」

私:「大平さん?(私の知り合いにはその姓の人はいない。)」

「太平さんやんか、あんた知らんの、大阪市の助役をしてた、大平さんやんか。」

私:ああ、弁護士の。

「そうやん、あんた知らんの。あの人、女の子を産まはってんてぇ。ダウン症やてぇ。やっぱりなぁ。業の深い女やなぁ。だいたいなんであんな女を大阪市の助役にしたんやろうなぁ。やっぱりなぁ、業の深い女やから障害のある子を産むんやなぁ。」


母は、自閉症の次男を産んだ娘を助手席に座らせて、これが言いたかったのだ。
たぶん少数派に分類される女性だと思われる。

母の運転する自動車が駅に着くまでの間、業の深い女という言葉を母はオウムのように何度も繰り返していた。
確かに母の第一子長女として生まれ、母の毒を吸い込む生活をしなければならない私は業の深い女なのだと思う。
母の子として何十年も過ごしているので、それなりに抗体が出来ているが、気力が萎えているときに母の毒を吸い込むのはいまだに堪える。

母が、次男の幼児のころに私に電話をしてきて「その子死んだらいいのになぁ。死んだら親助けやのになぁ。」と言ったころはさすがに気が狂いそうだったけれど、今はそういわれて良かったと思っている。

私が障害児を産んでよかったと思っている。
もし、私がなんの不都合もない子を産んでいて、その子が成人して子どもを産んで、その子がもし障害のある子だったり、生育途中で障害が生じた時には、私が「その子、死んだらいいのになぁ。死んだら親助けやのになぁ。」と言ってしまったかもしれないから。
なにせ、そういう遺伝子をもらっているわけだから、先に言われない限り、私も母と同じことをしていたのではないかと思う。

母の呪いの言葉を聞きながら、呪いの言葉が母本人の体のなかにじわりじわりと蓄積していることを感じる。
母がどんなに苛立っても、どうしても手に入らないものがあるのだ。

どういうわけか、私がそれをもっていることを、私は母に言わないでおこう。
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非公開コメント

Re:呪いの言葉(04/19)

結構きますね。忍耐と言う抗体ができますねぇ~なくちゃ~耐えられないかぁ
でも、「業」ってなんなのかしら??
 

Re:呪いの言葉(04/19)

Mamaさんの気持ちを想ったら 涙が出てしまいました。
お母様は思い込んではがれないそれを溶かす鍵を 手にはできないのでしょうね。
娘に言わずにおれない代わりの罰のような気さえします。

Re:呪いの言葉(04/19)

・・・・・・同じですよ。

ぼくは ぼくの息子を守る。それだけです。
何の感情も もうありません。

「この子らを世の光に」

Re[1]:呪いの言葉(04/19)

nori309さん
>結構きますね。

きますでしょ~~~。
不意打ちをくらうとクラクラしますよ。
ヤレヤレ

Re[1]:呪いの言葉(04/19)

☆marusianさん
>Mamaさんの気持ちを想ったら 涙が出てしまいました。
>お母様は思い込んではがれないそれを溶かす鍵を 手にはできないのでしょうね。
>娘に言わずにおれない代わりの罰のような気さえします。
-----
なんだかね~~って感じでしょう。
そして、ちょっと滑稽でしょう
\(◎o◎)/アヘ~~

Re[1]:呪いの言葉(04/19)

りきkkぱぱさん
>・・・・・・同じですよ。

>ぼくは ぼくの息子を守る。それだけです。
>何の感情も もうありません。

>「この子らを世の光に」
-----
ウチは年季が入ってますからね。
もう他の形がイメージさえできません。

りきパパんちはウチと同じにならないでほしいなぁ。

Re:呪いの言葉(04/19)

私の母は知的障害の弟を産みました
私はアスペの息子を産みました

でも母は弟も孫も、似た境遇であるはずの娘も理解できないようです
生きた時代のせいなんでしょうか、チョッとMamaさんのお母様と似ているかも…

実の母から理解のかけらも無い言葉を浴びせられるのって、泣きたいのを通り越して確かに呆れてしまいますね

Re[1]:呪いの言葉(04/19)

紗綾形鈴子さん


「学びたい」と思わない限り、人は学ばないのだなぁ。。と思います。
できるだけ、学ぶことを忘れないオバサンでいたいです。(~_~;)

Re:呪いの言葉(04/19)

私も下の子達を妊娠する度、実母から「また長男と同じような子が生まれたらどうする」と言われ続けていました。。。
もし同じような子が生まれたとしても、今までだって1度も長男の世話なんてしてくれたことないくせに、あなたには迷惑かけていないでしょ。。。と心の中ずーーーっと思ってました。
生まれて下の子達に障がいがないとわかると、連れてこいという。長男は大変だから連れてくるな下の子達だけ連れてこいって。
母のことわかってますからもうあきらめてます。

Re[1]:呪いの言葉(04/19)

きょきょ107さん

>生まれて下の子達に障がいがないとわかると、連れてこいという。長男は大変だから連れてくるな下の子達だけ連れてこいって。
>母のことわかってますからもうあきらめてます。
-----
自分自身は、まっとうな人間だと思っていますから、何も通じませんよね。
親子ってなにかと連鎖しますでしょう。
それをストップできてよかったです。同じことを私達がわが子に言わなくてすむわけですから。どこかで連鎖をとめなくっちゃね。

Re:呪いの言葉(04/19)

実母の言葉だけにキツイですね。そんな言葉を投げられるなんて。
お母様もずっとため込んでいるんですね。。。。

私は娘のおかげで自分が成長できたと思っています。
いくら感謝しても足りないくらい、娘ちゃんが好き。
でも、そう言った気持ちは一緒に住んでいないと、分からないのかも知れません。
ものすごく悔しい事も嬉しい事も一緒に乗り越えているから感じられる事でしょうから。

ProteaMamaさんと次男君、幸せに頑張っている、それだけで充分。
お母様にもそんな幸せ、感じさせてあげられたら良いんですけど。

最後の一文、ぐっときます。

Re[1]:呪いの言葉(04/19)

ねりらくさん
価値観はいろいろありますからね。
こたえないフリして乗り切りますわ。

なんというか、私は、母と同じモノを欲していないのです。
その様子がまた、母を苛立たせるのでしょう。
Oh!No! \(-o-)/
プロフィール

Protea Mama

Author:Protea Mama
7年余、楽天ブログを書いていました。いろいろな機能が終了になるということなので、FC2ブログに移動しました。楽天ブログには「フリーページ」があります。大変ありがたい機能ですので、楽天ブログも大事に置いておこうと思います。良かったらご覧ください。

私が「障害児の親になったのだ。」と気づいた頃は、情報を得ることが難しくて、子の将来の姿も、自分の将来の姿も想像できませんでした。どんな未来が待っているのか、不安で不安で。だれか、知らせて。だれか、見せて。。。と誰かをつかまえて訊きたかったのです。だから、今の次男の様子を書いておこうと思います。それを読んで、ガッカリする人もあるかもしれません。安心する人もあるかもしれません。ともかく、私達は今、生きています。親子無理心中事件は起こしませんでした。これからもないことを願っています。次男は、コロニーや施設ではなくて、街中で生活して、成人して、やがては老いていく初めての世代の障害者だと思います。どんな生活が有り得るのか、親亡き後の次男の生活は幸福なものになるのか。次男に親を独占されて、すね気味に大人になってしまった長男を真に解放してやることができるのか。。手探りの毎日です。

希望は強い勇気であり、新たな意志である。

すべてのことは、願うことから始まる。

我々にとって深遠なものは、逆の相の下に隠されている。生は死の下に、愛は憎しみの下に、義は罪の下に、力は弱さの下に隠されている。

いずれも、マルティン・ルター の言葉です。
私はクリスチャンではありませんが、とても良い言葉だと思います。

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