台風21号
私達の住む地域は、これまであまり台風の被害があったという記憶がありませんでしたので、ちょっと警戒心がなくて、私は大失敗、大冒険をしてしまいました。

4日は会社を休んで自宅にいました。
出社して、帰宅できなくなる可能性があったので。
天気予報どおりに風雨が強まって、隣家との境のパーテーションの下部の隙間を強い風が通り抜けるようになりました。
隙間には、普段から、こちらのゴミや葉っぱが隣家に飛んでいかないように、100円ショップで買ったまな板を立てかけて固定してありました。
窓ガラス越しにベランダの様子を見ると、そのまな板がガタガタ動きだしたのが見えました。
”ああ!ヤバイ! お隣に迷惑だわ!” と慌ててベランダに出ました。
まな板を直して、”さぁ、室内に戻りましょう。” と思って、サッシに手をかけて開けようとしたのですが、サッシは動きません。
”なんで??”
あっ!!!(゚д゚)
サッシのクレセントが、ほんの少し受け金具にかかっている。
本当に少しだけなのに、サッシはビクトもしない。
あ’’~~~~!!!!!
どうする私。
このままベランダに居たら、定体温症で死ぬかもしれない。
大げさに考えているわけではなくて、マンガのネタでもなくて、これは現実だ。
叫んでも、誰にも聞こえない。
どのお家も窓もドアも閉めているし、風雨の音がすごい。
雨樋を伝って1階まで降りられるだろうか。
無理!
雨樋を掴んで自分の体重を支えることできるほどの握力がない。
隣家とのパーテーションを蹴破って避難するか。
パーテーションは蹴破ることができる構造になっているはずだけれど、その後にパーテーションを作り直してもらうのに、何日間かかるのだろう。
その間ずっと、隣家と我が家のベランダはイケイケだなんて。。。気まずい。
ずーーーーーっと気まずい。
イヤだ。
そんなこんなを考えている間に、風雨の勢いはドンドン増していった。
雨が体を叩いて痛い。寒い。
ベランダの非常用梯子を使うことにした。
ハッチを開けて、梯子を下ろした。
階下のベランダにエアコンの室外機があって、梯子がそれに当たってガチャン!!と音をたてた。
ごめんなさい!!
階下の住人が在宅しておられることを祈りながら梯子を降りた。
ベランダの床に私の足が着くと、窓が開いて 若夫婦の驚いた顔が現れた。
パパが、小さな赤ちゃんを抱いておられた。
”ごめんなさい!!!すいません!!!” と、事情を説明して、室内に入れていただいた。
自分のベランダから履いていたクロックスを手に持って、玄関まで移動して、玄関から出していただいた。
すみませんでした。
長男に、私のマンションの鍵をもたせて居るので、押し流されそうな凄い風が吹くなかを、長男のマンションまで歩いて向かった。
横目で見ると、公園の大木が根っこから倒れていた。
その後、無事に自宅に戻る事ができた。
非常用梯子のハッチを締めるためにベランダに出て、階下を覗き込んだ。
階下のベランダの床に、私が大事にしているラウリンゼ(多肉植物)が数株散らばっている。
ハッチから落ちてしまったのだ。
ハッチを開けたから、風のコースが変わって、階下に流れ込んだのだ。
土も散らばって階下のベランダを汚してしまった。
ああ!!
お願いして、掃除させていただこう。
いや、もう一度室内に入れてくださるはずはないな。
レジ袋を持っていって、ラウリンゼを拾ってくださるようにお願いしよう。
その前に梯子を引き上げてハッチを」閉めなければ。。
梯子を引き上げようとすると、梯子の先端がエアコンの室外機の金属のラックに引っかかって上がらない!!
アッチャァ~~~!!!
早くハッチを閉めないと、階下のベランダをドンドン汚してしまう。
レジ袋とホウキを掴んで、屋外階段を降りて、ドアホンをピンポン!!
パパさんがドアを開けてくださった。
風雨の中を玄関ドアを開けさせてしまって、申し訳ないことでした。
ベランダに出て梯子がエアコンの室外機のラックに絡まっているので、離してください。。。とお願いして、その上、興味のない人にはなんの価値もないラウリンゼの株を拾ってレジ袋に入れてください。。とお願いした。
もう、もう、可笑しい気持ちと、恥かしい気持ちで、頭の中で、グワングワンと音をたてて、何かが回っている。
ともかく、ハッチを閉めないといけないので、どうしても、お願いしなくてはならなかった。
レジ袋とホウキを手に自宅に駆け戻って、梯子を引き上げようとした。
上がらない!!!
凄い重量で、上がらない!!
ウワァーーーーー!!!ヽ(*゚ロ゚)ノ
叫びたいけれど、たとえ叫んでも誰も助けに来ないし、第一、どんなに叫んでも、聞こえない!!
頭がガンガン痛くなってきた。
ハッチの裏にハンドルが付いていることに気がついた。
これだ!!!
ハンドルを取り付けて巻き上げた。
容易ではないけれど、巻き上げることができる重量に変わった。
おお!!
この非常用梯子を設計してくださった人、会社、ありがとうございました。
ハッチを閉めて、室内に避難した。
夕方になって、風雨の勢いは衰えた。
急いで駅前のお店に行ってみた。
幸い営業していたので、果物を買って階下にお詫びに行こうと思った。
が、階下のご夫婦は、もう、今日は、私の顔を見たくないだろうなぁ。。と思った。
翌日の朝、果物を持ってお詫びに行った。
赤ちゃんを抱いたママさんが、訝しげにドアを開けてくださった。
恥ずかしかった。
お詫びした。
また、頭痛が始まった。
頭痛と一緒に出勤して、頭痛薬を飲んだ。
ああぁ。。ため息を100回くらいした。
今回の教訓は、「一人でいるときは、ベランダに出る時は、サッシを開けっ放しにしておくことが重要です。」。。。ということでした。
私、死ななくて、よかったです。
あと20年、ボケていない状態で生きて、次男を看取ってもらう体制を確認しなくてはならないから、死ななくてよかったです。
長男がすぐ近くのマンションに住んでいて助かった。
でも、これで、「もっと遠くに住んでいいよ。1年に1回とか、2年に1回とか、しか会わないような遠くに住んでいいよ。」と言い続けてきた日々が水泡に帰しました。
長男が、顔で、”俺が近くに住んでいてよかっただろ。”と言っていました。
あ~~~あ( ノД`)
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読んでいてドキドキしました。
そうなんです。マンションでも一戸建てでもベランダに出るときは
ガラスを閉めてしまってはいけないんです。
部屋の中にいる幼子が鍵をかけてしまわない為のグッズもあるようです。
古い窓のサッシは振動でかかってしまうことも。
強い風雨でつい、閉めてしまわれたのでしょうね。
Re: タイトルなし
何年か分の話のネタを作ってしまいました。
ああ、恥ずかしい。。
自宅に、生きて戻れたことが嬉しいです。