うれしい誤作動

次男の携帯電話から私のスマホに留守電が入っていた。

え!?いつ!?

留守電を聞くと、”ザッ!!ザッ!!ザッ!!” と次男の足音が聞こえる。

”シュッ!!シュッ!!シュッ!!” と衣擦れの音がする。

次男は首に携帯電話を掛けているからね。

地下鉄のアナウンスが聞こえる。

「すみませーん!すみませーん!」 次男が叫んだ。

な、なにかあったのか!?

思わず、息を止めて待つ。1秒。2秒。

「はい、ちょっと待ってね。 どうぞ。」 男性の声がした。

タッ!タッ!タッ!タッ!タッ! 次男が歩きだして、留守電も切れた。

次男は、地下鉄の改札口で、機械の扉に止められたようだ。

次男の声で職員さんがやってきて、扉を開けてくれたようだ。

その様子を次男の携帯電話が誤作動で掛けてきて、留守電に残してくれたのだ。
私に知らせてくれたのだ。
嬉しいな。
次男の携帯電話は、よいこ、よいこ。

3月末までは、私のスマホに「留守電サービス」をつけていませんでした。
必要とは思っていなかったから。
乗り換え手続きをしたときにも、意識していなくて、「留守電サービス」がついていることに気がついていませんでした。
スマホの画面上で、電話のマークにがついていて、”アレ?なんだろ?”と思って触ってみたら、留守電でした。


次男くん、ちゃんと「すみません!」て、職員さんに呼びかけることができて、良かったです。
ちゃんとではないかもしれないけど。
ものすごく緊張感のある声でした。
必死のパッチの声でした。

自閉症の次男にとって、「適時に、適切な言葉を選んで話すこと」は、とても難しいことです。
どんなにたくさんのCMを覚えていても、どんなにたくさんの言葉を覚えていても、それが適時に出てくることはほとんど無いのが自閉症の特徴です。
たとえ、膨大な記憶と知識の宮殿を持っていたとしても、宮殿の外に持ち出すことができないのが自閉症です。

そんな次男だから、次男が職員さんに「すみませーん!」と呼びかけているのを聞くことができて、嬉しかった。
この留守番電話を保存した。
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テーマ : 自閉症
ジャンル : 福祉・ボランティア

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Protea Mama

Author:Protea Mama
7年余、楽天ブログを書いていました。いろいろな機能が終了になるということなので、FC2ブログに移動しました。楽天ブログには「フリーページ」があります。大変ありがたい機能ですので、楽天ブログも大事に置いておこうと思います。良かったらご覧ください。

私が「障害児の親になったのだ。」と気づいた頃は、情報を得ることが難しくて、子の将来の姿も、自分の将来の姿も想像できませんでした。どんな未来が待っているのか、不安で不安で。だれか、知らせて。だれか、見せて。。。と誰かをつかまえて訊きたかったのです。だから、今の次男の様子を書いておこうと思います。それを読んで、ガッカリする人もあるかもしれません。安心する人もあるかもしれません。ともかく、私達は今、生きています。親子無理心中事件は起こしませんでした。これからもないことを願っています。次男は、コロニーや施設ではなくて、街中で生活して、成人して、やがては老いていく初めての世代の障害者だと思います。どんな生活が有り得るのか、親亡き後の次男の生活は幸福なものになるのか。次男に親を独占されて、すね気味に大人になってしまった長男を真に解放してやることができるのか。。手探りの毎日です。

希望は強い勇気であり、新たな意志である。

すべてのことは、願うことから始まる。

どちらの言葉も、マルティン・ルター の言葉です。
私はクリスチャンではありませんが、とても良い言葉だと思います。

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