博士の愛した数式-小川洋子
静かで暖かい物語。
他者へのいたわりと愛情の尊さは、私が日常生活の中でどんどん失っていく大切なもの。
もがいているうちに、どんどん見えなくなっていく。
第55回(2003年) 讀賣文学賞小説賞受賞
第1回(2004年) 本屋大賞受賞
2006年に映画化されていますが、見ていないです。
監督は、小泉 堯史(こいずみ たかし)
「雨あがる」「蜩ノ記」の監督なので、いつかチャンスがあったら見たいです。
家政婦紹介組合から『私』が派遣された先は、80分しか記憶が持たない元数学者「博士」の家だった。こよなく数学を愛し、他に全く興味を示さない博士に、「私」は少なからず困惑する。ある日、「私」に10歳の息子がいることを知った博士は、幼い子供が独りぼっちで母親の帰りを待っていることに居たたまれなくなり、次の日からは息子を連れてくるようにと言う。次の日連れてきた「私」の息子の頭を撫でながら、博士は彼を「ルート」と名付け、その日から3人の日々は温かさに満ちたものに変わってゆく。