FC2ブログ

映画メモ-少年は残酷な弓を射る

少年は残酷な弓を射る

原題:WE NEED TO TALK ABOUT KEVIN
製作年度: 2011年 イギリス 上映時間: 112分


イギリスの女性作家に贈られる文学賞として著名なオレンジ賞に輝く、ライオネル・シュライバーの小説を映画化した家族ドラマ。

息子がとある事件を起こしたことを機に、それまでの彼と自身の向き合い方を見つめ直し、悩み抜く母親をティルダ・スウィントンが演じ、製作総指揮も担当。

第64回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、パルムドールは『ツリー・オブ・ライフ』に譲ったものの、作品、ティルダ・スウィントン、エズラ・ミラー ともに絶大な賛辞を集めた。



受賞とノミネート

ロンドン映画祭 作品賞 『少年は残酷な弓を射る』 受賞
ヨーロッパ映画賞 女優賞 ティルダ・スウィントン 受賞
ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 主演女優賞 ティルダ・スウィントン 受賞
インディペンデント映画トップ10 『少年は残酷な弓を射る』 受賞
英国インディペンデント映画賞 監督賞 リン・ラムジー 受賞
作品賞 『少年は残酷な弓を射る』 ノミネート
脚本賞 リン・ラムジー、ローリー・ステュアート・キニア ノミネート
主演女優賞 ティルダ・スウィントン ノミネート
助演男優賞 エズラ・ミラー ノミネート
技術賞 シェイマス・マクガーヴェイの撮影 ノミネート
ワシントンD.C.映画批評家協会賞 主演女優賞 ティルダ・スウィントン ノミネート
サンフランシスコ映画批評家協会賞 主演女優賞 ティルダ・スウィントン 受賞
ヒューストン映画批評家協会賞 主演女優賞 ティルダ・スウィントン 受賞
全米映画俳優組合賞 主演女優賞 ティルダ・スウィントン ノミネート
英国アカデミー賞 監督賞 リン・ラムジー ノミネート
主演女優賞 ティルダ・スウィントン ノミネート
英国作品賞 『少年は残酷な弓を射る』 ノミネート

---------------------------------------------

ティルダ・スウィントンという女優さんが母親役を演じるというだけで、「なにかある」感でいっぱいになる。
そのとおり、すごいことになる。

あらすじ:

自由を重んじ、それを満喫しながら生きてきた作家のエヴァ(ティルダ・スウィントン)は、妊娠を機にそのキャリアを投げ打たざるを得なくなる。それゆえに生まれてきた息子ケヴィン(エズラ・ミラー)との間にはどこか溝のようなものができてしまい、彼自身もエヴァに決して心を開こうとはしなかった。やがて、美少年へと成長したケヴィンだったが、不穏な言動を繰り返した果てに、エヴァの人生そのものを破壊してしまう恐ろしい事件を引き起こす。
事件が解決したのあとも、加害者とその家族、被害者とその家族の人生は続く。  

エバ(ティルダ・スウィントン)は郊外の荒れた一軒家に住んでいる。
職場でも友人を作ろうとしない。
孤独で苦しくて、罰を受けているような生活をしている。
彼女の回想と現在が行ったり来たりして混乱を催しながら、「事件」が起こった時点に近づいていく。


「ケビンのこと、ちゃんと話し合わないと。。。」だが、エバはどうしてもケビンのことを夫と話しあえなかった。
夫が良い人すぎたのか。鈍感すぎたのか。
エバが苦悩をもっと晒すべきだったのか。
それにしても、ケビンの母親への「執着と怒り」のすさまじさは異常。

想定外の妊娠でキャリア断ち切られてしまって、生まれてきた息子を100%素直に受け入れられない母親は、たくさんいるだろう。
最初は困惑しても、目の前に居る子への愛情や責任感が湧いてきて、時間をかけて母親になっていく。
子は、母親には、なにか満たされない物があると感じとっても、ありがたいことにそれでも母親を求めてくれて、やがて自分からも母親の存在を疎ましく思う反抗期や思春期を経て、母親と息子は適当な距離感を探っていくのではないか。

「母親は無条件に子供を愛し,子供もまた母親の愛を求めて応えるものだ」というのは神話だけど、それでも「なんとかしなくっちゃ。。。」と距離を詰めていくのだと思う。



まだ乳飲み子の時から,幼年期も,少年期も…青年期も一貫して,幼子とは思えないほどに念のいった嫌がらせを母に対してのみ行うケヴィン。
最後に彼が行った血も凍るようなあの犯罪も,母親を苦しめ,世間から断罪させるためだったのではないか。

エズラ・ミラーは鮮烈な印象。
この映画の後、降るようなオファーがあるらしい。
そりゃぁ、すごいことになっているだろう。


それぞれの年代のケヴィンを演じた子役たちの演技もすごい。
特に、「ニャニャニャニャニャア」というセリフをいう子役がすごい。
オーメンか。
「君、それは演技かい?本当は、それが君の素じゃないのか。。。」と思ってしまう。
素晴らしいという意味でも、恐いという意味でも、鳥肌が立つ。




これをアメリカの制作陣で制作すると、異常犯罪、サイコパスだけで終わってしまったのだろうと思う。

最後まで緊張が途切れることない、疲れる、衝かれる映画。

ケヴィンほどではなくても、息子は母親に苛立っているのだと思うので、胸に堪える映画。

--------------------------------

長男、生きてるか???
飯、食ってるか???


子どもをもった時、私にはそれほど執着する仕事も夢もなくて、文字どおりに、夢中になるほど長男は可愛かった。
ひょっとして、すっごいハンサムになるかも。。。と思った。
ひょっとして、この子は天才かも。。。と本気で思った。

そんな風に思う自分がちょっと恥ずかしくて、声に出して言うことは憚られたけれど、かなり本気でそう思っていた。
後から知ったのだけれど、これは私だけが思うことではなくて、初めて親になると、だれでもそう思うらしい。


でも、親はそれで良いのだと思う。
この親にして、この子なのに、とんでもなく素晴らしい子を授かったように思って有頂天になってよいのだと思う。



昔の人は、幼子のことを「6歳までは、人よりも神に近い」と言ったそうだ。
長男は、本当に、そんな感じがした。

昔の人がそう言っていたのは、「幼児の死亡率」が高くて、6歳まで成長することが今よりも難しかったことの「イイワケ」なのだけれど。




仕事のキャリアを中断される苛立ちとか不満な気持ちを微塵も感じたことはない。
それどころか、長男に関わることが、毎日、面白くて、楽しくて。

半年を過ぎたころからの、長男の強烈な夜泣きにはマイッタけれど、昼間は眠かったけれど、それを差し引いても、なお長男に夢中だった。

やがて、思った。

「やばい。私は長男を触り過ぎる。夢中になり過ぎる。これはマズイ。

第2子が必要だ。

一人っ子、ひとり息子にしてしまうと、私は長男を触り過ぎてしまう。」


で、第2子を望んで、特別に排卵誘発剤など人工的な工夫はしなかったけれど、望んだ通りに授かった次男は自閉症で、知的障害もあった。
第2子が誕生すれば、否応なく、ちょうどうまい具合に、長男に関わる物理的な時間とエネルギーを減らすことになるだろうと思っていた。

そうは、うまくいかなかった。
想定以上のことになった。

ナカナカ思うようにはいかないものだ。
スポンサーサイト



テーマ : 障害児、障害者の兄弟、姉妹
ジャンル : 育児

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Protea Mama

Author:Protea Mama
7年余、楽天ブログを書いていました。いろいろな機能が終了になるということなので、FC2ブログに移動しました。楽天ブログには「フリーページ」があります。大変ありがたい機能ですので、楽天ブログも大事に置いておこうと思います。良かったらご覧ください。

私が「障害児の親になったのだ。」と気づいた頃は、情報を得ることが難しくて、子の将来の姿も、自分の将来の姿も想像できませんでした。どんな未来が待っているのか、不安で不安で。だれか、知らせて。だれか、見せて。。。と誰かをつかまえて訊きたかったのです。だから、今の次男の様子を書いておこうと思います。それを読んで、ガッカリする人もあるかもしれません。安心する人もあるかもしれません。ともかく、私達は今、生きています。親子無理心中事件は起こしませんでした。これからもないことを願っています。次男は、コロニーや施設ではなくて、街中で生活して、成人して、やがては老いていく初めての世代の障害者だと思います。どんな生活が有り得るのか、親亡き後の次男の生活は幸福なものになるのか。次男に親を独占されて、すね気味に大人になってしまった長男を真に解放してやることができるのか。。手探りの毎日です。

希望は強い勇気であり、新たな意志である。

すべてのことは、願うことから始まる。

我々にとって深遠なものは、逆の相の下に隠されている。生は死の下に、愛は憎しみの下に、義は罪の下に、力は弱さの下に隠されている。

いずれも、マルティン・ルター の言葉です。
私はクリスチャンではありませんが、とても良い言葉だと思います。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR