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「ラストデイズ~松田優作X香川照之」 NHKTV12/22放送 「障害児・者の兄弟、姉妹(145)」

俳優、松田優作氏に心酔する人はたくさんいると聞くけれど、私はあまり彼が好きではなかった。
生前も亡くなった後も。
彼に、不気味さを感じていた。

俳優、香川照之氏が松田 優作氏に21年前にかけられた言葉。。。「お前はオレになれる」その言葉を胸に松田優作氏のラストデイを辿る。。。
というドキュメンタリーフィルムだった。


松田優作氏は、遊郭地区に在日の母の三男として生まれた。
家々には小部屋があって、女性が住んでいて、夜になると辻に立っていた。
父を知らず、高校2年生で郷里を捨てた。

香川照之氏は、歌舞伎俳優、市川猿之助を父に、宝塚歌劇団出身の女優、浜木綿子を母に生まれ、東大卒という学歴をもつ。

氏も育ちも違うように見えるが、父を知らず、居場所がないように思えて苦しい子ども時代を過ごしたことは同じだった。


番組中に香川照之氏が明かした事・・・

「意を決して25歳の時、初めて実父に会いに行った。そしたら、”あんたはオレの子じゃない。2歳であんたを捨ててからオレの人生が始まったから、こっちに来ないで。”って言われた。」


そんな、そんないいぐさがあるかよ!!
香川氏の憤り、驚きは察して余りある。



女優寺島しのぶや松たか子の評価が高いのは、歌舞伎の家に生まれながら、歌舞伎ができない女性に生まれたことの悔しさが彼女らを駆り立てているのではないか。。。と思う。
運命に拒否された悔しさ。


香川照之という人は、自分が歌舞伎俳優の子として生まれたことを知ったときになにを感じただろうか。

子どもころ、歌舞伎を知らない頃はなんとも感じなかったかもしれないが、成人して教養の一部として歌舞伎を見知ってから、やがて俳優となってからは、歌舞伎のDNAを持っていながら、それに関わることが許されなかった運命を残念だと感じたことがあったのではないか。。。と思っていた。


はたして、香川氏は、

「子どもになんと言ったらいいか、わからない。
パパ、なんで歌舞伎やってないんだよ。。って言われたら。。。

仕方がないんだよ。じーちゃんとばーちゃんが離婚しちゃったからさぁ。。。って、言うしかない。」


香川氏は、そんなにも歌舞伎にこだわっていたのか。

以前、なにかのインタビューで、
「歌舞伎俳優が、幼少期から稽古、稽古に追われ育つことを知って、母に、”あなたは離婚して正解です。”と言ったことがある。」と言っていたのに。



歌舞伎の「血」を持ちながら「血筋」を絶やしている。。。と思っているとも言っていた。
それは、香川氏自身のせいではないのに。


浜木綿子氏が、市川猿之助氏と離婚してから、養育費が「藤間紫」名義で振り込まれた。。。と言ってハッハと笑って会見の席を立った姿をTVで見た記憶がある。

上演する演劇の宣伝の記者会見か、なにか、だったと思う。
藤間紫の離婚のニュースがあって、記者が浜木綿子氏にぶしつけな質問をしたのだった。

正式に結婚し、歌舞伎界ではなによりとされる男子を産みながら、かくも理不尽な扱いを受けた母。

時が傷を癒したのだろうが、母と子、ともに傷は深い。


母は、息子に日本舞踊や鳴りものを習わせるのではなく、進学校に進学させ、最高の学歴をもたせた。
今度は、母が「歌舞伎」を拒否したのだ。
が、その血にひかれたのか、息子は俳優になった。



香川照之という人が、もしも澤瀉屋の後継者となっていたら。。。。
歌舞伎はもっと発展していたのではないか。

それとも、順当に歌舞伎俳優になっていたら、今とは違った香川照之だったのかもしれない。


彼の鬼気迫る演技は、理不尽な扱いを受けたことへの怒りが後押ししているのかもしれない。

彼の苦しさ、憤りは、どんなに時間を経ても完全には癒されることがないかもしれない。
彼の苦しみの代償として、香川照之という俳優にリアルタイムで出会えたことに、喜びを感じてしまう。



父のいない息子はそんなにも不安定なのか。
ふたりの俳優の軌道をたどるフィルムに胸を痛くした。
長男を想っていた。

父を知らないわけではないけれど、父親の器量がない人、ましてや、障害のある子の父親の器量がない人を父親にもった息子達の苦しさを想った。

私の責任は重い。
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Re:「ラストデイズ~松田優作X香川照之」 NHKTV12/22放送(12/24)

親子はそこだけに留まらず、きっと代々伝わる血筋も多分に影響してくるように思います。

海老蔵さんも、生まれた家柄にいつからか違和感や疑問も持っていたのかもしれません。

嫁入りした身には、その古くからの家系図は分からないものですね。^^


Re[1]:「ラストデイズ~松田優作X香川照之」 NHKTV12/22放送(12/24)

milkyway.さん

エビゾウさんは、ただ、思いあがって、勘違いしたのでしょう。



>親子はそこだけに留まらず、きっと代々伝わる血筋も多分に影響してくるように思います。

>海老蔵さんも、生まれた家柄にいつからか違和感や疑問も持っていたのかもしれません。

>嫁入りした身には、その古くからの家系図は分からないものですね。^^
-----

Re:「ラストデイズ~松田優作X香川照之」 NHKTV12/22放送(12/24)

こんばんは。まるしあんでわかるでしょうか・・昔のいろんなHN忘れちゃって・・です。突然ブログを閉じてから 存分にかっこわるく愚痴るひとり言ブログを作ってグチグチしています。

こちらには その後も何度かうかがって 読ませていただいていました。
今回の記事は まったく私が強く感じていたことと同じことがあったので・・・

>女優寺島しのぶや松たか子の評価が高いのは、歌舞伎の家に生まれながら、歌舞伎ができない女性に生まれたことの悔しさが彼女らを駆り立てているのではないか。。。と思う。
運命に拒否された悔しさ。

これ
そうですよね・・まったく 
弟の才能より以上と自負するのに 女がゆえにまったく論外って・・
香川照之さんの 時に鬼気せまる演技もそういう想いからだろうと思います。
一番想いを汲み取って欲しい相手に 環境に 聡明な知性で感性で応じてもらえない苦しみ
でも 相手は 自分ではないので そこまで操作もできなくて・・そうか そうなのかと見切るしかない
そのジレンマをどう昇華するか 本人の またはmamaさんの努力には 敬服しています。

Re[1]:「ラストデイズ~松田優作X香川照之」 NHKTV12/22放送(12/24)

sonomama8さん

おひさしぶりです。
お元気でよかったです。

彼女達には、身体を震わすような悔しさ、怒り。
身もだえするような苦しさ、思いきれない思い。。。

とかね。
あるのではないかと、思います。

運命に拒否されるような、爪も立てられないような、まったく取り掛かることさえ許されない拒否をされる悲しさ。。

は、私達の息子達も感じていりゅかもしれません。
なんとかして、後押ししてやりたいのですが。。。

ままなりません。



>こんばんは。まるしあんでわかるでしょうか・・昔のいろんなHN忘れちゃって・・です。突然ブログを閉じてから 存分にかっこわるく愚痴るひとり言ブログを作ってグチグチしています。

>こちらには その後も何度かうかがって 読ませていただいていました。
>今回の記事は まったく私が強く感じていたことと同じことがあったので・・・

>>女優寺島しのぶや松たか子の評価が高いのは、歌舞伎の家に生まれながら、歌舞伎ができない女性に生まれたことの悔しさが彼女らを駆り立てているのではないか。。。と思う。
>運命に拒否された悔しさ。

>これ
>そうですよね・・まったく 
>弟の才能より以上と自負するのに 女がゆえにまったく論外って・・
>香川照之さんの 時に鬼気せまる演技もそういう想いからだろうと思います。
>一番想いを汲み取って欲しい相手に 環境に 聡明な知性で感性で応じてもらえない苦しみ
>でも 相手は 自分ではないので そこまで操作もできなくて・・そうか そうなのかと見切るしかない
>そのジレンマをどう昇華するか 本人の またはmamaさんの努力には 敬服しています。
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Author:Protea Mama
7年余、楽天ブログを書いていました。いろいろな機能が終了になるということなので、FC2ブログに移動しました。楽天ブログには「フリーページ」があります。大変ありがたい機能ですので、楽天ブログも大事に置いておこうと思います。良かったらご覧ください。

私が「障害児の親になったのだ。」と気づいた頃は、情報を得ることが難しくて、子の将来の姿も、自分の将来の姿も想像できませんでした。どんな未来が待っているのか、不安で不安で。だれか、知らせて。だれか、見せて。。。と誰かをつかまえて訊きたかったのです。だから、今の次男の様子を書いておこうと思います。それを読んで、ガッカリする人もあるかもしれません。安心する人もあるかもしれません。ともかく、私達は今、生きています。親子無理心中事件は起こしませんでした。これからもないことを願っています。次男は、コロニーや施設ではなくて、街中で生活して、成人して、やがては老いていく初めての世代の障害者だと思います。どんな生活が有り得るのか、親亡き後の次男の生活は幸福なものになるのか。次男に親を独占されて、すね気味に大人になってしまった長男を真に解放してやることができるのか。。手探りの毎日です。

希望は強い勇気であり、新たな意志である。

すべてのことは、願うことから始まる。

我々にとって深遠なものは、逆の相の下に隠されている。生は死の下に、愛は憎しみの下に、義は罪の下に、力は弱さの下に隠されている。

いずれも、マルティン・ルター の言葉です。
私はクリスチャンではありませんが、とても良い言葉だと思います。

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