映画メモ-パンズ・ラビリンス 「映画レビュー(4689)」
『パンズ・ラビリンス』(原題:El laberinto del fauno、英題:Pan's Labyrinth)
2006年のメキシコ・スペイン・アメリカ合作映画。
日本公開は2007年1
監督・脚本はギレルモ・デル・トロ。
「アーサーとミニモイの不思議な国」(2006年/フランス)のような可愛いファンタジーかと思ったら、大間違い。
どこまでも陰惨な暴力・殺人が繰り広げられ、PG-12指定はうなずける。
子供よりむしろ大人向けの寓話。
あらすじ
スペイン内戦で父親を亡くした少女オフェリアは、妊娠中の母親と共に母親の再婚相手であるヴィダル大尉に引き取られて森の中にある軍の砦に住む事になる。ヴィダルは独裁政権軍でレジスタンス掃討を指揮する冷酷で残忍な男。彼はもうすぐ生まれる自分の息子だけを欲しがり、オフェリアの事は疎ましく思っていた。妊娠中の妻の容態が悪化すれば、子どもを助けよと医師に命令する。母のお腹の中の弟に、「お母さんを苦しめないで出てきてね。」と懇願するオフェリア。
ある日、オフェリアは、昆虫の姿をした妖精に導かれ、自宅の庭の奥にある迷宮(ラビリンス)に入る。そこで半人半獣のパン(牧神)に出会う。パンによると、彼女は魔法の王国の王女の生まれ変わりで、満月の夜までに3つの試練を乗り越えれば本当の両親が待つ魔法の国に戻れるという。彼女はそれを信じ、3つの試練に立ち向かう…。
主人公オフェリアを可憐に健気に演じたのは当時13歳だったイバナ・バケロ。
「彼女にとってファンタジーの世界は現実逃避ではなく、現実と折り合いを付ける手段だったのです。周囲の女性を守ろうとした勇気ある女性。その強さをスクリーンに映らない部分まで表現するよう努力しました」と、インタービューに答えている。
なんという洞察力。
ハッピーエンドではない。
3つめの試練でのオフェリアの選択は、正しかった。
アンデルセンの人魚姫をハッピーエンドにしてしまうアメリカ人には理解できまい。
現実世界での結末には胸が締め付けられるが、選ばれるべき結末だった。
少しキリスト受難劇のような感じもして、キリスト教国で評価が高ったのではないだろうか。
仏教説話にも通じると感じるのは、「自己犠牲」という概念がいずれの宗教にもあるからだろう。
2006年のメキシコ・スペイン・アメリカ合作映画。
日本公開は2007年1
監督・脚本はギレルモ・デル・トロ。
「アーサーとミニモイの不思議な国」(2006年/フランス)のような可愛いファンタジーかと思ったら、大間違い。
どこまでも陰惨な暴力・殺人が繰り広げられ、PG-12指定はうなずける。
子供よりむしろ大人向けの寓話。
あらすじ
スペイン内戦で父親を亡くした少女オフェリアは、妊娠中の母親と共に母親の再婚相手であるヴィダル大尉に引き取られて森の中にある軍の砦に住む事になる。ヴィダルは独裁政権軍でレジスタンス掃討を指揮する冷酷で残忍な男。彼はもうすぐ生まれる自分の息子だけを欲しがり、オフェリアの事は疎ましく思っていた。妊娠中の妻の容態が悪化すれば、子どもを助けよと医師に命令する。母のお腹の中の弟に、「お母さんを苦しめないで出てきてね。」と懇願するオフェリア。
ある日、オフェリアは、昆虫の姿をした妖精に導かれ、自宅の庭の奥にある迷宮(ラビリンス)に入る。そこで半人半獣のパン(牧神)に出会う。パンによると、彼女は魔法の王国の王女の生まれ変わりで、満月の夜までに3つの試練を乗り越えれば本当の両親が待つ魔法の国に戻れるという。彼女はそれを信じ、3つの試練に立ち向かう…。
主人公オフェリアを可憐に健気に演じたのは当時13歳だったイバナ・バケロ。
「彼女にとってファンタジーの世界は現実逃避ではなく、現実と折り合いを付ける手段だったのです。周囲の女性を守ろうとした勇気ある女性。その強さをスクリーンに映らない部分まで表現するよう努力しました」と、インタービューに答えている。
なんという洞察力。
ハッピーエンドではない。
3つめの試練でのオフェリアの選択は、正しかった。
アンデルセンの人魚姫をハッピーエンドにしてしまうアメリカ人には理解できまい。
現実世界での結末には胸が締め付けられるが、選ばれるべき結末だった。
少しキリスト受難劇のような感じもして、キリスト教国で評価が高ったのではないだろうか。
仏教説話にも通じると感じるのは、「自己犠牲」という概念がいずれの宗教にもあるからだろう。
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